介護老人福祉施設広川苑を訪問

自立支援協議会就労部会の活動の一環として、副部会長2名で広川町にある広川苑を訪問させていただき、障がいのある方の就労についての意見交換をさせていただきました。

広川苑さんを訪問させていただくことになったのは、副部会長である私たち二人の、ふとした会話からでした。

たちばな支援学校の「たちばな応援団」の研修会で、広川苑さんの取り組みを知る機会があったこと。そして、それぞれが関わってきた支援の中で、広川苑さんが障がいのある方の就労にとても熱心に取り組まれている様子にふれたこと。そんな出来事が重なり、自然と「一度お話を聞いてみたいね」という声があがりました。

私たちの中には、就労部会のこれからに対する思いが、ずっとありました。
就労部会の目的である『障がいがあることによって就労が困難な人たちの就労を地域で支えることで、経済的な自立をめざす』という言葉を、改めて見つめ直したときに、「今だからこそできることがあるのではないか」と感じたのです。

大きなことはできなくても、小さな一歩を踏み出すことで、何かが動き出すかもしれない。そんな思いから、まずはその一歩として、広川苑さんとお話をさせていただく機会をいただけたらと思い、訪問をお願いしました。この出会いの中に、これからの就労部会の歩みにつながる、あたたかなヒントがあるのではないか。そんな期待を胸に、訪問させていただきました。


今回の懇談を通じて、私たちはたくさんの気づきと学びを得ることができました。お話の中で見えてきたことを、以下のようにまとめさせていただきます。

1. 具体的な課題の把握

個別の事例をうかがう中で、一般就労への移行がなかなか進まないこと、事業所としての経営の厳しさ、そして利用者一人ひとりのニーズに十分に応えきれていない現状など、具体的な課題が浮かび上がってきました。

2. 課題解決に向けたヒント

一方で、広川苑さんの取り組みの中には、課題を乗り越えるためのヒントもたくさんありました。
たとえば、多様な人材の活用によって職場が活気づいていること、利用者の成長をあたたかく見守りながら自信を育んでおられること、そして従業員の意識にも少しずつ変化が生まれていること。
こうした積み重ねが、企業と障がいのある方との相互理解を深めるきっかけになっていると感じました。

3. 関係者のつながりの大切さ

就労支援をよりよいものにしていくには、行政や職業センター、ハローワークなどの関係機関との連携が欠かせません。そして何より、企業、支援事業所、そして障がいのあるご本人――その三者の思いが通い合うことが大切だとあらためて感じました。

4. 一人ひとりに合った柔軟な支援体制

就労を目指す方もいれば、今は「安心して通える場所」を求めている方もいます。それぞれの思いや状況に合わせた支援が必要であり、従業員の負担や支援体制そのものを見直すことも、これからの大切な課題だと考えさせられました。


こうした気づきを大切にしながら、私たち就労部会としても、目の前の事例に丁寧に向き合い、関係するみなさんと力を合わせて、より柔軟であたたかい支援の形をつくっていけたらと思っています。


今回ご協力頂いた皆さま ありがとうございました。

介護老人福祉施設 広川苑  畑中事務長  辻川総務主任