自発的活動支援事業「デイサロンぼらんち」を訪問しました


白浜町で実施されている自発的活動支援事業「デイサロンぼらんち」を訪問し、日頃の取り組みや運営の工夫についてお話を伺いました。
「デイサロンぼらんち」は、やおき福祉会が白浜町から委託を受けて運営している事業で、いわゆる“デイサービス”とは少し違う、地域の中にある、ゆるやかな居場所です。
相談と居場所が近かった頃から、今へ
この事業は、平成23年頃に「本人活動支援事業」としてスタートしました。当初は相談支援事業所のすぐ隣に拠点があり、相談と居場所が自然につながる形で運営されていたそうです。
その後、場所の移転や制度の変更を経て、現在は「自発的活動支援事業」として、月3回、水曜日に開所しています。
令和4年からは圏域全体の相談体制が再編され、「にじのわ」が設置されたことで、以前のように相談と居場所が一体となった形ではなくなりました。
その変化について、
「仕方ない部分もあるけれど、以前の柔軟さは少し持ちにくくなった」
という率直な言葉が印象に残りました。
「所属がある人」が、あえて来る場所
制度上は「日中活動に参加しにくい人」を想定していますが、実際に利用しているのは、すでに就労や作業所、高齢者施設などに所属している人が多いそうです。
・仕事終わりに立ち寄る
・普段は別の場所を利用し、水曜日だけ来る
・体調や気分に合わせて、無理なく使う
「何かを頑張る場所」ではなく、少し力を抜ける場所として使われている様子が伝わってきました。
月3回でも「来たら、開いている」
ボランチでは、月3回のうち2回を通常サロン、1回をプログラムの日としています。
プログラムの日も、内容はあらかじめ決めすぎず、その日に集まった人たちで相談しながら決める「フリー形式」。
それでも、職員のこだわりとして
「外出しても、必ず1人は拠点に残す」
というルールを守っているそうです。
来る時間は人それぞれ。
「来たら入れる」状態をつくり続けることを大切にしている、という話が印象的でした。
地活との役割分担と、選べる居場所
白浜町内には、地域活動支援センター(地活)もあり、日常的な居場所として機能しています。
ボランチは、毎日開いている地活を補完する立ち位置で、利用者は複数の場を使い分けています。
「今日は地活、今日はボランチ」
そう選べること自体が、支えになっていると感じました。
長く関わる中で見えてきた変化
以前の形を懐かしむ声がある一方で、長く関わる中で、利用者自身が変化してきた姿も多く見られるそうです。
・作業所に安定して通えるようになった
・一般就労を続けながら、時々立ち寄る
・生活が落ち着き、支援の形が変わった
「こちらが何かをした、というより、関係が続いた結果」
という言葉が、とても現場らしく感じられました。
続けることの難しさと、それでも続ける理由
この事業は、委託費だけで余裕をもって回せるものではなく、法人としての負担もあるそうです。
相談支援事業そのものが厳しさを増す中で、今後を考えると簡単ではありません。
それでも、白浜町には窓口に専門職が配置され、現場の必要性を理解し、一緒に考えてくれる土台があります。
「だから、なんとか続けてこられた」
という言葉に、この事業の背景が凝縮されているように感じました。
居場所は、形を変えながら続いていく
ボランチは、以前と同じ形ではありません。
けれど、地域にとって必要な役割は、今も確かにそこにあると感じました。
制度や体制が変わっても、人が集い、少し立ち止まれる場所があること。
その積み重ねが、地域の支えになっているのだと思います。
