幹在宅看護センター視察レポート
8月13日と8月21日の2回にわたり、和歌山市冬野703-9にある「幹在宅看護センター」を視察させていただきました。その様子をご紹介します。
今回の視察は、(株)アシテック・オコ代表の小林さんにご調整いただき、実現したものです。主な目的は、有田川町の広報誌に掲載予定の医療的ケア児等支援に関する特集記事に向け、先進的な取り組みを行っている「幹らんど」を訪問し、支援の実際を取材することでした。
また、8月13日の視察にはカラフルビーンズの中尾さん、8月21日にはりら創造芸術高等学校の学生である雅音くんにご同行いただき、それぞれ取材と写真撮影にご協力をいただきました。

まず最初に目に入るのは、青空に映える「幹らんど」の建物です。日本財団の助成金を受けて建設されたもので、その存在感に思わず足を止めてしまいます。
当日はお忙しい時間を調整していただき、代表の丸山さんからこれまでの歩みについてお話を伺いました。
「もともとは訪問看護だけをしていて、細々と続けていくつもりでした。ところが、その中で小さな重度の子を預かったときに、「預ける所がないからお母さんが仕事に行けない」という現実に直面しました。
既存の施設でも、ある程度年齢の高い子どもは受け入れてくれるのですが、1歳くらいの子を預けられる場所はありませんでした。
ちょうどその頃、この古い建物が売りに出ていて、空き家対策の仕組みも活用しながら子どもたちを預かる場を始めました。最初は7〜8人ほどの子どもたちが集まっていました。」



こうして始まった子どもたちの居場所づくりに加えて、地域の人が気軽に立ち寄れる「カフェ」も併設することにしました。丸山さんは、その思いをこう語ってくれました。
「お母さんたちの集まりで『せっかくやから、うれしかったことや、つらかったことも言ってみて』と声をかけたら、みんな涙を流して本音を語ってくれました。その姿を見て、医療的ケアを必要とする子どもの保護者が『相談するとこが無かった』って感じてきたんだと気づいたんです。
でもね、ないことはないじゃないですか。本当はある、いっぱいあるんだけど、でもやっぱりなかなか知らない、どこへ行ったらいいの?っていう、その思いなんやろうなと思って。
そしたら、その人たちのためっていう意味ではなくって、普段カフェに来た人が、自分の孫とか子どもとか近所の人がそんな状況になった時に、『ここで相談してみたら』って言ってもらえたらいいなっていうのが、最初のモチベーション(=カフェをはじめるきっかけ)だったんです。
まあでも、それがちゃんと機能になってるのかどうか、わかんないですけどね。それがカフェをしたかった理由なんです。」





視察のまとめ
今回の視察を通じて強く感じたのは、丸山さんが大切にしている理念「笑顔の瞬間」です。
畳の上で子どもと関わる実践や、母親の会・体験イベントなど、すべての取り組みはこの理念に根ざしています。ベッドの上ではなく畳の上だからこそ生まれる子どもの自然な動き、きょうだいとの目線の共有、そして日常に近い体験の積み重ねが、子どもたちの発達と笑顔を支えています。
『Cafeみき』は、困ったときに「まずここに来てみよう」と思える相談の拠点であり、地域の誰もが気軽に立ち寄れる場所です。丸山さんの掲げる“笑顔の瞬間”は、これからも地域に広がり、支え合うまちづくりの力となっていくことでしょう。
最後に、今回の視察にあたりご協力いただいた丸山さんをはじめ、アポイントを調整してくださった(株)アシテック・オコの小林さん、取材&写真撮影にご協力いただいたカラフルビーンズの中尾さんや、りら創造芸術高等学校の雅音くんに、心より感謝申し上げます。